2017年6月10日土曜日

6/9分 長期配当投資こそ、おじさんではなく若者が進むべきお金持ちへの道 

まいどオザワークスです。

まずは配当から。

TLT/iシェアーズ米国国債20年超(NISA)
HYG/iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債
EMB/iシェアーズJ.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券
PFF/iシェアーズ米国優先株式

ややこしいですが、SBIとマネックスで同じ銘柄を持っていると配当入金日が微妙にずれることがあります。額は小さくても毎日配当を貰うと元気が出ますからね。これでいいのです。

さあ、ここから本題ですが、前回の続きです。その前に軽く前回までのあらすじを説明しておきますか。

ぼくの同僚の息子さん(現在高校生)にもし投資をさせるならどのようにさせるか、という話でした。ぼくがアドバイスするなら、息子さんが社会人になったその時から毎月5万円ずつアメリカの超巨大企業3社に順番に投資させ、受け取る配当金を増やしつつその配当金もまた投資させる、というものでした。その手法に色々思うところもあったでしょうが、彼は黙って毎月5万円の投資を実行し続け、早くも2年の月日が流れました。というところから今日の話は始まります。

知らないおじさんに言われるがまま投資を始めて丸2年が経過した頃、これまで買い続けてきた3銘柄の一つAT&Tの保有分が50万円を超えていました。彼は彼で達成感もあったのでしょう。そのことを嬉しそうに投資のおじさんに報告しました。するとおじさんは意外なことを言ったのです。

「なら今月からAT&Tの代わりにP&Gを5万円買うのだ!」

今まではエクソンモービル、フィリップモリス、そしてAT&Tを毎月順番に買っているだけでした。そのうちの一つAT&Tの新規買い付けを止めて別の銘柄P&Gに切り替えろというのです。さあ、1銘柄が50万を超えてきたこの辺から本格的な分散投資の始まりです。いくら鉄板のAT&Tとはいえ、あくまで一企業にすぎないので何があるかわかったもんじゃありません。50万円分も持っておけば十分でしょう。AT&Tの代わりに買っていける銘柄はやっぱり同じ2,5,8,11月に配当金を出してくれる銘柄がいいですね。ATと同じアメリカの通信企業の雄ベライゾンコミュニケーションでもいいのですが、同じ業種というのが少し気になります。だた高配当株に分散すればいいというわけではありません。色々な業種に分けておくことも大切なリスク減らしです。よって、誰もが知ってる世界的必需品メーカーP&Gあたりが適当ですね。ちなみにおじさんはこのP&Gも持っていません。もちろん欲しいんですけど、何故か縁(円)がないんですよねえ……。

そんなわけで分散投資が始まりました。エクソンモービルの枠(3,6,9,12月配当)は医薬品のファイザーやバフェットに捨てられたIBMなんかいいですね。この枠はとにかく候補が多すぎてお金がいくらあっても足りません。フィリップモリス枠(1,4,7,10月配当)枠はどうでしょう。一部変則的ですが、コカコーラはここですね。ぼくも持っているヒューレットパッカードもなかなかに味わい深いですよ。あ、ゼネラル・エレクトリックも忘れてはいけません。

そんな感じで、1銘柄50万円買うと次の銘柄へと投資先を変えていく生活を彼は黙々と続けていきました。風の日も雨の日も、株価が上がった月も下がった月も。あ、ちなみに何らかの理由で株価が落ちて評価額が50万円を下回った場合、その月はその下がった銘柄を優先して買います。もちろん5万円。だからAT&Tを再び買い増すこともありうるのです。

そして、投資を始めて十年の月日が経ちました。毎月毎月5万円の資金投入はやり始めた当初こそその捻出に苦労していましたが、十年も経つとそれほど負担とも思えない金額になっていました。彼の給料も上がったし、また苦労の中でやりくりも上手になったからです。始めたときにはほとんど何も知らなかった金融、税金、世界情勢や経済についても随分詳しくなりました。これもすべて投資を続けてきたおかげです。というのは少々言いすぎでしょうか。まともかく、彼は十年休まず続けたのです。

十年で投資した元本は600万円に達しました。銘柄数も十数本に増加。評価額は株価のことなのでわかりませんが、毎月受け取る配当金は増配もしていって大体2万円弱といったところでしょうか。すくな……くないですよ。30そこそこで毎月2万円の不労所得です。600万預金したって利息はほぼゼロなんですから2万円は全然デカい。更に世の中資産4桁以下という人がわんさかいますから。彼は立派です。それにこの毎月2万はかなり「カタい」。アメリカの超大型銘柄はちょっとやそっとじゃ減配しません。赤字でも増配するくらいです。だからこれからの人生延々と2万円貰い続ければいいんです。

さて、十年経って投資のおじさんもおじいさんになりました。ン、ちょっと早い? まあいいか。

「ふぉっふぉ、よく十年我慢したの。もう投資の免許皆伝じゃ。この先はグロース株に乗り換えるでも、あるいは投資を辞めるでも好きにせい」

目を細めながらそういうおじいさんはもちろんわかっていました。十年積み立ててきた彼がそんなアホな事はせず、これまで通り配当狙いで大型株を買い続けることを……。

めでたしめでたし。

というわけで、めでたく終わったところでここからまとめに入ります。昨日今日のこの連投記事は、簡単に言うと2つのことを言いたかった記事です。一つは投資の初心者に向けてのかなり具体的なレクチャー。主人公の彼が実行させられていた投資方法は、本当におすすめです。かなり我慢忍耐が必要になりますが、まず間違いなく受取配当金は増え続けます。高配当銘柄は不況時でも株価の下落は限定的、かつ底からの回復も早いので、資産額の面から見ても心配いらないと思います。ただ、時間がめちゃめちゃ掛かるだけです。誰しも夢見る手っ取り早く儲かる、から一番遠い地道な投資です。だから何より続けるのが難しい。でも最後は勝つ。まじおすすめです。

あ、おすすめはしましたが、投資は投資なんで必ず良い結果が出るわけではございません。投資はあくまで自己責任でお願いするっす。

今回の記事を書いた理由その2。やっぱり若い人にこそ投資してほしいから、ですね。上にも書きましたが、カタい投資は結果が出るまでとにかく時間ばかりかかる。その時間がたっぷりあるのが若い人なんです。

投資はリスクとリターンが比例しますが、若い人ならリターンはそのままでリスクを時間で割り算できます。つまりリスクを細かくできるんですね。それが若い人の最大の強み。一方おじさんは残された時間が限られていますから、リターンを求めるとどうしてもリスクを取るしかない。退職金を株に突っ込んでほとんどなくしてしまった、とか笑い事ではすみません。まあ、資産運用の経験が乏しい、ということもまた問題としてあるんでしょうけど、それだって若いうちから経験を積んでいれば別の道があったでしょうね。正直、40代50代の方におすすめできる投資法はありません。少なくともぼくは知りません。もちろん配当重視でコツコツ買っていくのも全く意味がないなんて言いません。ただ、本格的な旨味を得るところまではやはり難しいでしょう。投じる資金量にもよりますが、現役時代から年収のある程度は不労所得、という収入のマルチ化とそこから来る安心感、これを得るのはね、厳しいね。この辺はまた別の記事で掘り下げても面白いかもしれませんね。

かくいうぼくも30代から投資を始めたすべり込み世代です。いや~、自分の未来が暗いっすねえ。その暗い未来を投資でどこまで変えられるかも、正直わかりません。いつも思うのは、20代の頃から投資を始めておけば良かった、ということです。いや~、若者はいいなあ。なんたって若いからいいなあ。そこの若い人、君は若いだけで価値がある。可能性があるのだよ。

とはいえ、ぼくが20代の頃、今のようにインターネット一本で株、それも米国株の取引なんて、できなかった訳ではないらしいのですが、今と比べれば取引手数料はバカ高く、特定口座もなく、また取扱銘柄も少なかったわけです。今、ようやくなんです。ようやく環境が整ってきて、誰でも簡単に世界で最も強い市場へとアクセスできるようになりました。だからまあ、ぼくのようなおじさんはおじさんなりにやっていくしかないってことですね。比べてやっぱり今の若者はいい時代に生まれたとぼくは思いますよ。投資だけじゃなくていろいろな方法でお金を稼げるようになりつつありますから。この流れはこれからもっと進むでしょう。

だから若者たちよ、いい会社に入るだけが人生じゃないぞ、いい会社を使って自分がどう稼ぐかが重要だぞ、と投資のおじさんは小声で叫んでおきます。

大変長くなりました。本日はこの辺で。また次の配当で会いましょう。

オザワークスでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿