自分でも保有しているのですが、BBD/バンコ・ブラデスコというブラジルの銀行があります。ブラジル国籍の銘柄でありながら、米国のNY市場にADR(米国預託証券)として上場しております。
このバンコブラデスコ、色々特徴がありまして、そのひとつに「毎年株式配当を行う」というものがあります。株式配当とは無償割当とも呼ばれ、株主に対して無償でまるで配当のようにその銘柄の株式そのものを割り当てる、つまりタダで株をくれる、コーポレートアクションの一種です。
バンコブラデスコはその株式配当を毎年行います。簡単に言うと、バンコブラデスコの株を一度買って持っているだけで、毎年毎年保有株数そのものが増えていく、ということです。
さらにバンコブラデスコは、配当金も普通に出してくれます。つまり、バンコブラデスコを一度買えば、普通に配当金が貰え、毎年株式配当で株数が増え、株数が増えたのだから貰える配当金も増え、翌年また株式配当で株数が増え……という具合に株主は何もしていないのに勝手に資産が増殖していきます。
ね、ちょっと興味出てきたでしょう?
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というわけで、バンコブラデスコの自己増殖のシミュレートをしてみます。
毎年行われる株式配当は10株保有につき1株の割当です。これだけでも配当利回りで言えば10%なので、ちょっとすごいですね。
配当金の方は実は毎年ムラがあり、利回りがいくつとは言いにくいのですが、実際保有した感覚でいえば、1株あたり年間0.2ドルは貰っていると思います。これは低く見積もっての数字です。
バンコブラデスコの2018年4月現在の株価は約10ドルほど。株価ですから上がったり下がったりですが、面倒なので未来永劫10ドルの株価は変わらない前提で行きましょう。為替も1ドル=100円の固定相場で。
以上のバンコブラデスコを折角ですからNISA枠120万円分に一気でぶち込みましょう。NISAにした理由は、株式配当実施時に税金をしっかり持ってかれるんですが、NISAであればそのような心配もなく放ったらかしておけるからです。
では、行きましょう。NISA制度1年目に120万円分のバンコブラデスコ1200株を買いました。それから10年後、どうなったのか?
開始時の株数 | 購入する株数 | 配当される株数 | 年末の保有数 | その年の配当金 | |
---|---|---|---|---|---|
1年目 | 0株 | 1200株 | 120株 | 1320株 | $264 |
2年目 | 1320株 | 0株 | 132株 | 1452株 | $290 |
3年目 | 1452株 | 0株 | 145株 | 1597株 | $319 |
4年目 | 1597株 | 0株 | 159株 | 1756株 | $351 |
5年目 | 1756株 | 0株 | 175株 | 1931株 | $386 |
ロールオーバー | |||||
6年目 | 1931株 | 0株 | 193株 | 2124株 | $424 |
7年目 | 2124株 | 0株 | 212株 | 2336株 | $467 |
8年目 | 2336株 | 0株 | 233株 | 2569株 | $513 |
9年目 | 2569株 | 0株 | 256株 | 2825株 | $565 |
10年目 | 2825株 | 0株 | 282株 | 3107株 | $621 |
こうなりました。120万円分のバンコブラデスコを買って放置しているだけで、NISA終了の10年後には1200株が3107株にまで増殖。1株10ドルが変わらないとすれば、120万円が310万円になったことを意味します。
また配当金も株数が増える毎に増額されていき、10年間で計4200ドルほども貰うことになりました。
どうです、バンコブラデスコなかなかに面白い銘柄でしょう?
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しかしまだNISAの、そしてバンコブラデスコの全力を我々見ていませんね。上の表はNISAの1年目だけ、120万円だけバンコブラデスコを買った場合のシミュレート結果です。
ならば、全力で行きましょう。ということでNISA枠フルで5年分、計600万円をバンコブラデスコに捧げてみたらどうなるのか、とくとご覧あれ。
開始時の株数 | 購入する株数 | 配当される株数 | 年末の保有数 | その年の配当金 | |
---|---|---|---|---|---|
1年目 | 0株 | 1200株 | 120株 | 1320株 | $264 |
2年目 | 1320株 | 1200株 | 252株 | 2772株 | $554 |
3年目 | 2772株 | 1200株 | 397株 | 4369株 | $873 |
4年目 | 4369株 | 1200株 | 556株 | 6125株 | $1,225 |
5年目 | 6125株 | 1200株 | 732株 | 8057株 | $1,611 |
ロールオーバー | |||||
6年目 | 8057株 | 0株 | 805株 | 8862株 | $1,772 |
7年目 | 8862株 | 0株 | 886株 | 9748株 | $1,949 |
8年目 | 9748株 | 0株 | 974株 | 10722株 | $2,144 |
9年目 | 10722株 | 0株 | 1072株 | 11794株 | $2,358 |
10年目 | 11794株 | 0株 | 1179株 | 12973株 | $2,594 |
どうですか、この迫力。自分で買ったのは5年間で計6000株です。これだけでもちょっとあんまり見ない数ですが、それが非課税期間の最後には13000株近くまで膨らみました。資産額だって、600万円が1300万円です。
プラス、配当金も10年間で 計15000ドル以上貰いました。
注目したいのはこのバンコブラデスコ、投資家が特に何もしなくても自分で勝手にここまで増殖していく、という点です。完全自動運転なので、投資家はバンコブラデスコを気にせず他の好きなことを出来ます。全自動で資産が増えるってやつです。
しかもまだ終わりません。終わったのはNISAの非課税期間であって、13000株のバンコブラデスコはまだあなたの手の中にあります。つまり、これから先も投資家が止めない限り自動増殖は続く、ということです。
これからのNISAはバンコブラデスコで決まりですね。
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……はい、まあ良いことばかりを書きました。現実はそう上手く行きますかねえ?
まず、バンコブラデスコの利回り10%の株式配当がずっとそのまま続くのか、疑問です。ぼくの知る限りでは、2015年~2018年の4年間は間違いなく株式配当が実施されました。それ以前に関しては、謎です。ブラジルの銀行ですから公式サイトもポルトガル語で、よくわからんです。
仮に株式配当がずっと実施されるとすると、毎年新規で株を発行するわけですから、それは株価への下げ圧力となります。自社株買いの逆です。シミュレートでは都合よく「株価は2018年4月現在の10ドルから変化しない」なんて前提でやりましたが、株価は所詮株価です。10年後どうなるかなんて、わかりゃしません。
なので、600万円の投資元本が10年後1300万円に! なんてのは完全なる捕らぬ狸の皮算用です。お花畑の発想です。一応バンコブラデスコの10年チャートなども見てみますが……
こんなもん見てもなんとも言えねっす。未来はわからん、の一言です。
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でも、しかし、可能性は、あります。シミュレート通りになってしまう可能性もあるんです。そこに株式投資の夢がありますね。
もちろん全力で、とうのはちょっとおすすめしませんが、株倉庫の片隅に置いておくのも面白いかもしれません。
ちなみにぼくはというと、課税口座非課税口座合わせて400株ちょっとくらいですかね。もうこれ以上買い足そうとは思いませんが、毎年勝手に倉庫の片隅で増殖していますよ。
オザワークスでした。
ネタ要員て大事だよね
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