2017年12月18日月曜日

外国株CFDにおける配当の名目利回りと実質利回りについて

皆さんこんにちは、オザワークスです。

突然ですが、外国株CFDでの配当額、支払い金利、それらが絡まった実際に受け取れる配当額をもう一度考えてみました。

まずこちらをご覧下さい。

銘柄名目の利回り
T5.17%
F4.82%
VZ4.42%
IBM3.77%
GM3.73%
XOM3.68%
CVX3.62%
PFE3.46%
MRK3.34%
KO3.14%
PG2.99%
CSCO2.91%
GAP2.78%
GE2.69%
HPQ2.56%
INTC2.47%

これは、GMOクリック証券の外国株CFDで取り扱っている中で、配当高めなめぼしい銘柄を表示されている利回りの順に並べたものです。これが現物株であればこの通りの配当利回りなのですが、CFDの場合これに金利調整額というものが絡んできて、実際の利回りは結構変わります。言わば、この利回りは名目の配当利回りです。

次の表は、名目の利回りにそれぞれ1株あたりの配当額を書き加えたものです。


銘柄名目の利回り1株の配当1年間の配当
T5.17%56224
F4.82%1664
VZ4.42%66264
IBM3.77%168672
GM3.73%42168
XOM3.68%86344
CVX3.62%120480
PFE3.46%35140
MRK3.34%53212
KO3.14%41164
PG2.99%77308
CSCO2.91%32128
GAP2.78%25100
GE2.69%1352
HPQ2.56%1560
INTC2.47%30120

金額は全て円計算です。1株あたりの配当を4回貰って1年間の配当額としています。

銘柄を買って持っているだけで貰えるのが配当だとすれば、持っているだけで日々引かれていくのが金利調整額です。次の表はその支払い金利について付け加えたものです。


銘柄名目の利回り1株の配当1年間の配当1週間の金利1年間の金利
T5.17%56224152
F4.82%166400
VZ4.42%662642104
IBM3.77%16867211572
GM3.73%42168152
XOM3.68%863447364
CVX3.62%1204808416
PFE3.46%35140152
MRK3.34%532122104
KO3.14%41164152
PG2.99%773087364
CSCO2.91%32128152
GAP2.78%25100152
GE2.69%135200
HPQ2.56%156000
INTC2.47%30120152

金利は毎日払います。1週間分の金利を調べ、それを52週分取られるという計算で1年間の支払い金利を出しています。

この金利の額はそれぞれの銘柄の株価に依ります。株価の高い銘柄は金利も高くなり、低い銘柄は安くなります。

支払い金利がところどころゼロになるのは、1円未満の金利は切り捨てられるからです。ざっくり言えば、株価が~28ドルくらいまでの銘柄なら金利は掛かりません。29ドル~51ドルくらいまでなら週間金利は1円。52ドル~80ドルくらいまでなら2円。81ドル以降は7円以上と急激に金利が増えます。

金利は配当を食うものです。なので1年間の配当から1年間の金利を引いたものがこちらです。


銘柄名目の利回り1株の配当1年間の配当1週間の金利1年間の金利配当-金利
T5.17%56224152172
F4.82%16640064
VZ4.42%662642104160
IBM3.77%16867211572100
GM3.73%42168152116
XOM3.68%863447364-20
CVX3.62%120480841664
PFE3.46%3514015288
MRK3.34%532122104108
KO3.14%41164152112
PG2.99%773087364-56
CSCO2.91%3212815276
GAP2.78%2510015248
GE2.69%13520052
HPQ2.56%15600060
INTC2.47%3012015268

1番右が実際の1株あたりの配当額です。ところどころ数値がマイナスになっている銘柄がありますが、これは受け取る配当額よりも支払う金利のほうが多いことを示しています。正直そういう銘柄は、CFDでの長期配当投資には向きません。XOMとPG、現物ではめっちゃ欲しいですけどね。

さて、ぼくはCFDで投資するとき1銘柄につき使う資金は1万円、その1万円で約2万円分の株を買う、というルールで投資をしています。レバレッジ2倍ですね。そのルール通り2万円分買った場合の最終的な配当受取額がこちらです。


銘柄名目の利回り1株の配当1年間の配当1週間の金利1年間の金利配当-金利株数1年間の配当
T5.17%562241521725860
F4.82%16640064171088
VZ4.42%662642104160(3)480
IBM3.77%16867211572100(1)100
GM3.73%421681521164464
XOM3.68%863447364-20(2)-40
CVX3.62%120480841664(1)64
PFE3.46%35140152885440
MRK3.34%532122104108(3)324
KO3.14%41164152112(4)448
PG2.99%773087364-56(2)-112
CSCO2.91%3212815276(5)380
GAP2.78%2510015248(5)240
GE2.69%135200528416
HPQ2.56%156000608480
INTC2.47%3012015268(4)272

株数のカッコつきはもし買うならこのくらい、という意味です。カッコなしの銘柄は現在既に保有しています。

どの銘柄も大体同じだけの額を投資しても、随分と配当の額のズレは大きくなります。レバレッジを掛けるとなおさらです。投じた資金が1万円なので実はこの「最終的な配当額」は実質的な配当利回りそのものなのですが、わかりやすくこうしましょう。


銘柄名目の利回り実質の利回り1株の配当1年間の配当1週間の金利1年間の金利配当-金利株数1年間の配当
T5.17%8.60%562241521725860
F4.82%10.88%16640064171088
VZ4.42%4.80%662642104160(3)480
IBM3.77%1.00%16867211572100(1)100
GM3.73%4.64%421681521164464
XOM3.68%-0.40%863447364-20(2)-40
CVX3.62%0.64%120480841664(1)64
PFE3.46%4.40%35140152885440
MRK3.34%3.24%532122104108(3)324
KO3.14%4.48%41164152112(4)448
PG2.99%-1.12%773087364-56(2)-112
CSCO2.91%3.80%3212815276(5)380
GAP2.78%2.40%2510015248(5)240
GE2.69%4.16%135200528416
HPQ2.56%4.80%156000608480
INTC2.47%2.72%3012015268(4)272

名目の利回りと実質の利回りの差にご注目下さい。レバレッジは2倍です。その状態で利回りが大幅に上昇しているTやFやHPQ、今買うならGEなどがCFDに向く銘柄です。株価が低いことで金利も安く、レバ2倍の恩恵を直に受けることの出来る銘柄です。

次点として、利回りの上昇はあるものの、それほどでもないのがVZ、GM、PFE、KO、CSCO、INTCなどの銘柄です。これらはレバレッジというリスクを背負っている割には、その恩恵を得ることが今ひとつ出来てない銘柄です。

上記以外の銘柄は、現物よりも配当利回りが下がる、しかもレバ2倍で、という十字架を背負っている悲しい銘柄たちです。あえてCFDでやる意味は、うーむ……難しい。

IBM、XOM、CVX、PGなどは支払い金利で配当が消し飛ぶ銘柄。論外です。

こうして考えてみると、あらためて外国株CFDでの長期配当投資は難しい、ということを思い知ります。銘柄の選択肢がやっぱりちょっとなさ過ぎます。TとFの利回りは強力無比なのですが、それ以外が……。

やっぱり金利が重い。どうしてもそこに行き着く。金利という足かせのない現物は自由でいいなあ、とか思ってしまう。

しかし、それでもまあ続けてみましょう。毎月銘柄を増やしながらね。この記事で行ったのは所詮は机上の空論。株価の変化、配当額の変化、金利の変化、為替の変化、それらで状況はガラッと変わります。GEなんかは特にそうですね。

今はとにかく続けて、CFDの美味しいところを見つけ出す時期です。投資として面白いは、面白いのです。そう自分が感じるならば、やるべきです。

CFDについてまだまだ理解の足らない、オザワークスでした。



ずいぶん真面目な話になってしまった
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