2018年3月8日木曜日

配当3/7分 投資家 vs 労働者 無益な争いはいつまで続く?

皆さんこんにちは、オザワークスです。

長野県は雪です。またホワイトディビデンドになりました。

F/フォード・モーター $12.14
BIV/バンガード・米国中期債券(NISA) $3.08
BND/バンガード・米国トータル債券市場(NISA) $2.99
VCIT/バンガード・米国中期社債(NISA) $3.90
GM/ゼネラルモーターズ(CFD) ¥144

3月合計 $122.42  2017年3月合計 $437.68
2018年合計 $611.92   2013年~2018年合計 $12127.61
2018年CFD配当 ¥1296   2017年~2018年CFD配当 ¥2623

さあNISA銘柄が入りだし、配当の忙しい時期になってきました。注目は一昨日配当が入ったばかりのフォード。なんとまた来ています。フォードは毎年3月の配当だけ他より額が多いのですが、なるほど2回に分けて入金されるのですね。実際保有してみて初めてわかったことです。



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さて本題。昨日の記事では投資家が何故一番偉いのかを書きました。事業を起こすにはまず先立つものが要る。そのお金を投資家が出してくれるから事業(会社)が成り立つわけで、それ故金だけは持っているどんなに嫌なヤローでも、投資家が世界の頂点なのだ、という内容でした。

そして我々は経済の頂点である投資家です。しかし、大半の個人投資家は、同時に経済の末端である労働者でもあるはずです。我々は上なのか、それとも下なのか。両者は相容れません。でもぼくはそこに何かそれ以上のものがあるような気がして、今これを書いています。

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ぼくは投資家です。全世界の名立たる巨大企業を数々「所有」し、凄腕と言われる経営者を雇い、企業価値が高まることを日々願っています。どれほどの大企業であってもぼくが出資したからこそ、今のその姿があるのです。故に配当金を貰うのも当然。配当金を増やせない経営者などすぐにクビです。

利益を。何よりも利益を。あらゆるコストをカットし、利益を最大化せよ。そしてその利益は最優先で株主に還元されるべし。そも株式会社とは、株主に利益をもたらすために存在しているのです。経営者の従業員もそのことを肝に銘じ、株主のために働くのが当然です。

ああ、書いていて気持ちいい。まるで世界の神にでもなったような気分です。すべてが自分に従属する存在。すべてがこちらに頭を垂れています。でもこれが資本主義経済の大元です。

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一方、ぼくは労働者です。とある株式会社に雇われています。そこで誰でもできる、誰がやっても同じ仕事を毎日毎日、まるで機械のようにしています。時給◯◯◯円です。給料に不満はありますが、それを上司に言うことはありません。クビになるのが怖いからです。

歯車、そう薄汚れたひとつの小さな歯車、それがぼくです。もしも歯車が壊れたら? 新しい歯車に取り替えれば済むことです。それで何の問題もなく、会社という巨大な機械は動いてゆくのです。

あまり気付いている人はいませんが、ぼくたちは自分のためではなく、実は株主のために働いています。ぼくたちが汗水たらして働くことによって生まれた会社の利益、その例えば半分が株主への配当金になります。

ぼくは夜勤なので夜仕事をしますが、その時間株主は大いびきで寝ています。それもただ寝ているだけでなく、配当金という枕によだれを垂らしながらです。

書いていて気が滅入ってきます。ですが、これもまた資本主義の断面図です。

投資家と労働者、投資家の側に立てば当然もっと利益を、もっと利益を、となります。投資家としてのぼくももちろんそうです。

ではもう一方の労働者側に立ったときはどうなのか。それでも株主のために一生懸命働くのか。

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んなわけないですよね~。

あまり大きな声では言えませんが、ぼくは働かない労働者です。面倒な仕事はなるべく他の人に押し付けて、楽なことだけをやります。しかもそれだって、まあまあ手抜きです。

常に考えていることは、自分がどうやって楽をするか。他の人と時給が同じであるならば、いかに少ない仕事で同じ賃金を得るか。いかに働かずに給料を会社から盗むか。しかもクビにもならずに。そんなことばかり考えています。

当然生産性は激低です。時給で働いているので、職場にいる時間のみが関心事になります。よって仕事を早く終わらせるなどもってのほか。目一杯引き伸ばします。もちろんクビにならない程度に。

だって自分の作った利益が、ただ株を持っているだけの投資家クソヤロー共に吸い取られていくんですよ? やってられますかいな。だからぼくは利益を作らない。けれど給料は貰う。

いや、最低っすね。けれどこの辺が、日本の底辺労働層の現実じゃないでしょうか。クズもクズなりに損得を考えているのです。

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でも投資家としては、これは困る。こんなクズがはびこっていては、会社の利益率が下がるではないか。

もし、この会社の従業員すべてが、働くふりだけのクズになったら、そのときはどうなる?

答え、倒産する。

そりゃあ立ち行かなくなりますわなあ。投資家としてはそれが一番困ります。一刻も早く腐ったみかんを見つけ出し、箱から除外する必要があります。

しかしながら、腐ったみかんは腐ったみかんで排除されるわけにもいきません。命に関わります。

じゃあ腐っていないみかんになればいいじゃないか。いやいや、ちょっと結果を出したぐらいじゃ時給なんて上がらないし、ましてや出世なんて……。

結局、偉い人にわからないレベルで手を抜く方向にインセンティブが働くのですよ。働くのはいつもぼくではなく、インセンティブくんです。

だって株主が利益上げるために人件費削れって、んなこと言われてやる気出るわけねーじゃん。ムリムリ。

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この辺でいいですかね。投資家と労働者、それぞれの側から見た景色はずいぶん異なるものです。そう簡単には相容れません。

しかし、ぼくは現実にその両方の景色を見ています。今日のように混乱しながら、しかしどちらも全肯定も全否定もできません。どちらも欠かせないものだからです。不思議と苦しさはありません。今はその万華鏡のような不可解な感覚を楽しんですらいます。

投資家であり、労働者でもある者たち。現代資本主義が生み出した実に不思議な存在です。近代までこんなバカヤローたちはいませんでした。一生金持ちと一生貧乏人にきっぱり分かれていたものです。

両者が両立する、ちょうどいい塩梅というか、塩加減というか、金持ち投資家ほどガメツクなく、貧乏労働者ほど卑屈でない、聖域がきっとどこかにあるのでしょうね。

もしかしたらそれは、投資家兼労働者が今よりもっともっと増えることによって顕在化するかもしれません。誰しもが投資家であり、労働者でもある。それは恐らく資本主義の次のステージですね。そんな世界をちょっと……いえ、結構本気で見てみたいと思います。

投資家と労働者、両者がいがみ合わない夢の世界は果たして訪れるのでしょうか。

オザワークスでした。



風呂敷が大きすぎてぼくにはとても畳めない
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